Marriage Made In Hell

新婚生活の崩壊 By Black Demon

 リゾート地から家までの約2時間のドライブ。この花嫁と花婿にとっては、恐ろしく長い時間に感じられた。ホテルのフロントでチェックアウトしてから、2人は一言も口をきいていない。2人はそれぞれ別の理由でびくびくし、神経質になっていた。ただ一つ確かな事は、リッチモンド夫妻にとって、新婚生活の始まりが最悪なものであったという事だけだ。

 ハネムーンから帰ってきた次の週も、夫婦の間にはどこか不自然な空気が漂っていた。まるでお互いと会話する事を恐れているかのように。レーシーは夫が結婚前とはまるで別の人間になったように感じていた。たった一週間前までは結婚をとても誇りに思っていた。彼はハンサムで自信に満ち、そして仕事における成功者でもあった。しかし今彼女と新婚生活を送っている相手は、いつも自信なさげな顔をした頼りにならない男で、彼女の言葉には何一つ逆らおうとはしなかった。

 レーシーにとって新婚生活の一週間は、不快な、まるで自分が汚されたかのような不愉快な日々となった。彼女の人生において最良の日々となるはずの新婚生活は、完全な悪夢の日々となっていた。それというのも結婚式の夜まで守り続けていた純潔は、夫ではなく双子の妹の黒んぼ愛人に捧げられていたのだ。もちろんそれは合意の上では無かった。彼女はテレールという悪魔に犯され、破滅させられたのだった。

 彼女は結婚式の夜に誘拐された。そして最初にビデオテープによる脅迫を受けてからチェックアウトの際に解放されるまで、夫とは一度も会うことはできなかった。彼女は何度もレイプされ、その度にテレールによってイカされたのだ。自分の肉体に裏切られた彼女は自責の念に苛まれていた。そして彼女はあの黒んぼに強いられた事を思い出し、思わず身震いした。公衆の面前でテレールといちゃつくあの時の彼女の姿は、まさに黒んぼ好きの売女の姿だった。

 2人の老女が見ている前で、レーシーはテレールの勃起を水着の上からさするよう命令された。そして彼女は水着の中に手を入れて黒んぼのコックを手コキしなければならなかったのだ。彼女に下された次の命令は、黒んぼのスペルマを両脚に塗りたくる事だった。あの悪夢のハネムーンの日々が彼女の脳裏から消える事は無いだろう。涙を流し、歯を食い縛りながら、彼女はその苦しみに耐えていた。

 しかし最も恐ろしいイベントは、テレールが彼女をホテルの別の建物に連れて行った時のことだった。ノックされたドアが開いたとき、彼女は自分が街角の売春婦のように「売られた」事を悟った。彼女をさらに絶望させたのは、買った男が高校時代の知り合いという事実だった。多少ではあっても高校時代に彼女が敬意をはらった相手だったのだ。

 その男、彼女の高校の校長だった男は、彼女を4時間「購入した」。隠し続けてきた彼女への淫らな思いを満たすために。ヒギンズ校長は高校生のレーシーを狙っていたのだ。彼は他の女子高生へのセクハラ行為で罷免されていた。4時間5000ドルというわずかな値段で、あの肥満した醜い老人に「売られた」ことを思い出すとき、身も心も売女にされてしまったように感じるのだった。

 彼は彼女を裸にし、その裸体を撫で回した。彼女にとってはおぞましいだけの思い出だ。醜い肥満老人の愛撫は、彼女を嫌悪と恐怖で縮み上がらせた。この愛撫は多くの女子高生たちが体験したものだった。「太った豚」とあだ名された彼は、校長時代はセクハラの常習犯だったのだ。その太った身体に圧し掛かられたときは、彼女はむしろこのまま圧死したいと考えたほどだった。ヒギンズは彼女を犯すと、本物の豚のような呻き声を挙げて、その穢れた欲望を彼女の胎内にぶちまけた。こうして2回犯された後も陵辱は終わらなかった。彼女は帰ろうとするのを引き止められ、跪いてのフェラチオを強制されたのだった。

 一方のデイブも、あの忌まわしいハネムーンを回想していた。あの結婚式の夜の事が、いつも心にわだかまっていたのだ。
「ああ、なんで俺は披露宴で酔いつぶれなかったのか」
彼はそう何度も何度も自分に叫んだ。結婚式の日に初夜の床入りの事を心配していた初心な自分を思い出すたび、彼は情けない気持ちに襲われた。

 レーシーに何度も拒絶された後、デイブは当然のように思い込むようになった。彼女は結婚式の日まで純潔を守るつもりなのだと。結婚式の夜、彼は酔いに任せて愛する新妻のベッドへ「新郎の権利」を受け取るために潜り込んだ。しかし酔いつぶれかけた彼では、とうていセクシーな新妻を満足させる事は出来なかった。彼は妻を何一つ満足させないうちに、コンドームの中に早すぎる射精して果ててしまった。

 その後、デイブの目の前で信じられない事が起った。純真なはずの「レーシー」がバイブレーターを使って自慰を始めたのだ。自分の妻がこんな恥知らずな行為をするとは、彼は夢にも思わなかった。彼はコンドームの中で萎びている自分のペニスを見た瞬間、ようやく「真実」を悟った。彼の妻はヴァージンではなく、結婚式まで純潔を守っているなどという事は、彼だけの勝手な思い込みであったのだ。
「畜生!こいつはもう他の男とやってたのか!」
彼は心の中で叫んだ。

 ハネムーンの間、デイブは何とか自分の妻を喜ばせようと試みた。彼女の奴隷となり、彼女の望む事なら何でもしたのである。結婚式の前に思い描いていた計画では、彼は愛しい妻と一日中愛し合おうと夢見ていた。しかし初夜での失敗以来、彼は彼女と離れ、酒で自分の惨めさを慰めたいと考えるようになっていた。

 彼はハネムーンでの自分の早漏ぶりを思い返すたび、屈辱で肩をふるわせた。スペルマが空中に放物線を描き、妻の身体にかかる。デイブの脳裏には、あの時の妻の叫びがありありと蘇って来る。
「いやよ・・・もう・・・もうなの・・・ああっ、畜生!」
彼のコックが妻の手の中で萎びて、最後のスペルマを吐き出していた時に彼女が挙げた失望の叫び。彼はそれをしっかりと覚えていた。いや忘れる事ができなかったのだ。
「畜生!」
その叫びは彼への罵りであって、励ましなどではなかった。デイブは自分が男として完全な失敗を犯した事を思い知らされたのだった。

 ハネムーンから帰ってきて2週間目に入ると、ようやくデイブとレーシーは互いに言葉を交わすようになった。相手にねぎらいの言葉をかけ、互いへの気遣いも忘れなかった。しかし夜になってベッドに入る時間になると、2人はナーバスになった。セックスをしたくなかったのだ。その意味での2人の結婚は、まだ成立してはいなかった。2人はどちらかが風呂に入っている間に素早く布団に入り、風呂からあがった方は狸寝入りをしている相手の横にそっと入り込む、これがレーシーとデイブの夫婦生活だった。

 デイブは病院で残業があるたびに志願し、しばしば2シフト連続で働く事もあった。お金のためではなかった。仕事の残業なら、家に帰るのが遅くなるという確実で当たり前の理由になるからだった。金に困った事の無いデイブは、結婚前には常に残業を避けていた。2人は結婚して直ぐに家を買えるほどの余裕があったのだ。

 レーシーはデイブが残業をやると聞いたときは驚いた。しかし、やがて彼女にとってもデイブがいない夜は、気まずい夫婦生活の息抜きの時間となった。ハネムーンから数週間が経っていたが、2人に肉体関係は無かった。レーシーはいつしかテレールが彼女に叩き込んだ、あのオーガニズムを思い出すようになっていた。

 レーシーは一人でベッドに寝転びながら、両手をブラウスの中に入れて自分の乳房を掴んだ。あの時のテレールと同じように。彼女は必死に両脚を閉じて体中の疼きを抑えようとした。やがて堪らなくなった彼女はヘアブラシを手に取ると、丸い柄の方を自分のプッシーに突き立てて自らを慰めたのだった。

 レーシーは仕事場の実験室に行くたびに、あのビデオの事を思い出した。ビデオに映ったネームタグからは、はっきりと「レーシー・リッチモンド夫人」と読み取る事が出来る。彼女はあのビデオが自分のドレスと白衣を使って撮影された事を思い出し、改めて身を震わせた。彼女はあのビデオで脅迫され、お金を支払って買ったのだ。正確には黒んぼの前に跪き、哀願のおしゃぶりをして、ようやく買い取らせてもらったのだ。もちろん実際には双子の妹が彼女になりすましたいんちきビデオだった。しかしあの演技では誰も信じてはくれないだろう。

 彼女がそんな事を考えながらぼうっと机に座っていると、突然鳴った電話のベルが彼女を現実へと引き戻した。
「やあ、奥さん!今日の仕事の後、テレールの巨大な黒んぼコックで一発やらないかい?」
「え・・・ええ・・・けど・・・け、けど今日はデイブと一緒に帰る約束なの!」
レーシーは妹の愛人にどもりながら答えた。
「今日はデイブの坊やと一発お楽しみってわけか。俺のと比べてどうだった?」
「え・・・わ・・・私は・・・わ・・・私たちはまだ・・・!」

 テレールは一瞬自分の耳が信じられなかった。
「え、つまり、デイブの坊やはあんたと一度もファックしてねぇのか?」
「ち・・・違うわ!」
震える声でレーシーが答える。
「じゃあ・・・リッチモンドさんちのベッドは一度も本来の目的で使われた事がねぇってわけか、そうだろ?」
「そ・・・そうじゃないわ」
彼の下品な質問に、彼女は弱々しく答える。
「よし、そうゆう問題は早めに解決しないとな。結婚してから一度もファックしてねぇなんて、まともじゃないぜ!よし、分かった。今夜、このテレールめが貴女の問題を解決いたしましょう!」
テレールはそう言ってクスクス笑うと電話を切った。

 仕事を終えたレーシーが病院のロビーにを通り過ぎようとすると、彼女を待っていたテレールとステイシーの姿が目に入った。レーシーはこの邪悪な妹を睨み付けた。しかし彼女を声に出して罵る事は出来なかった。妹の更なる復讐が恐ろしかったのだ。レーシーは白衣を脱ぐとそれを双子の妹に渡す。彼女はそれを羽織ってロビーを出て行き、そこにはレーシーと妹の黒んぼ愛人だけが残された。彼女が窓から外を覗いていると、ステイシーがデイブの車の助手席に乗り込んでいる。デイブの車は駐車場を出ると走り去った。

 レーシーは病院のフロントを後にした。数人の同僚が、レーシーと黒んぼが恋人のように歩いていくのを目撃していた。テレールの手は彼女の腰を抱き寄せていた。彼女にとって、同僚達が妹を知っている事だけが救いだった。同僚達は彼女に双子の妹がいる事を知っていたし、妹とその愛人の事も以前話した事があったからだ。レーシーは同僚達が自分を妹と勘違いしてくれるよう祈り、妹のブロンドは自分よりやや暗めであることを思い出したりしないよう祈った。

 デイブはレーシーを高級レストランでのディナーに誘い、その場を利用して2人の仲を修復しようとしていた。ディナーの途中、彼は勇気を振り絞ると、彼女に顔を近づけて軽くキスをした。すると、彼女も夫にキスを返し、彼は成功に有頂天となった。今の彼はディナーが終わるのが待ち遠しかった。今日こそ愛する妻に、自分が男である事を示す好機であると考えたのである。今夜を本当の初夜にしようと決意していた。確かに彼の愛する妻と黒んぼとのファックは、夫婦の寝室で行われる初めてのファック、「初夜」となるだろう。

 デイブと「レーシー」は隣り合って座っていた。彼女はそっとテーブルの下に手を伸ばすと彼の太腿に触れる。デイブは思わず身を竦ませた。妻の手は彼の股間に伸び、そこにあった彼の怒張を握り締めた。「レーシー」は彼のペニスを握り締めたまま夫にこう囁いた。
「今夜はあんなに早く果てたりしないでしょうね、あなた?そうだ、帰りに雑貨店に寄って行きましょう。念のためにバイブレーターの電池を買っておきたいの!」
彼の脆い自尊心は早くも崩れかけていた。

 テレールは美しい新妻を伴って高級マンションへと入った。彼がビデオ撮影に利用したリッチモンド夫妻のマンションだ。レーシーの腰に回した腕から彼女の震えが伝わってくる。彼女が肉体の喜びを熱望している事は明らかだった。彼が命令したわけでも無いのに、彼女はためらわずに黒んぼを夫婦の寝室へと導きいれた。彼女は寝室の中央で立ち止まるとベッドの方へ身体を向ける。彼女が毎日夫と寝ているベッドだ。テレールは直ちに彼女の背後へと回り込んだ。

 黒い手が彼女の尻の肉を掴む。テレールはドレスの上からレーシーを愛撫し、その手をゆっくりと彼女の前面へと這わせていった。彼の愛撫で新妻は既に息を荒くしていた。彼の親指がドレスの上からブラの紐を引っ掛けると、彼女は切なそうな呻き声を挙げる。
「オオウウウゥゥ!」
突然彼の両手が彼女の乳房を握りつぶすかのように掴み、彼女は悲鳴とも呻き声ともつかぬ声を挙げる。テレールの手のひらには、すでに乳首が勃起した感触が伝わっていた。

 「オウウウウゥゥ・・・オウウウウゥ!アアアア・・・もっと・・・もっと触って!おおうううぅ、いい・・・気持ちいいぃぃ!」
テレールがドレスとブラの上から敏感な乳首を刺激するたびに、レーシーは大きな喘ぎ声を放った。
「ああ、神様・・・ああっ!オオウウウゥゥ、お願い・・・お願い・・・私・・・私欲しいの!」
彼女は病人のように喘ぎ続ける。
「お願い・・・ああ、神様・・・お願い!」

 忘れられない経験になりそうだった。テレールはこの美しい花嫁を初夜に犯しただけでなく、結婚後の夫婦の寝室でも「初めて」をいただけるのだ。彼はそう思いながら、汚い言葉で彼女をあざけった。
「あんたとデイブの坊やがハネムーンから帰ってきて、もう2週間以上だろう!それなのに、まだ旦那とヤッたことがねぇってのか?」
彼女は既に彼の言いなりだった。体中の力が抜け、そのまま黒んぼの胸の中へと倒れこんだ。

 やがてレーシーは一糸纏わぬ姿にされ、夫婦のベッドへと横たえられる。彼女はそこで横になったまま、テレールは自分の洋服を脱ぐ様を見つめていた。太くて長い漆黒のコックが姿を現した時、レーシーは期待と興奮で身体を熱くさせた。彼女は知り抜いていた。この黒んぼのコックこそ、望んでいる喜びを与えてくれる事を。彼女は右手を自分の股間に這わせると、待ちきれないかのように、中指で自分のプッシーを弄っていた。

 テレールがレーシーの上へと圧し掛かると、彼女は両脚を大きく広げて迎え入れ、両手で黒い胸板にしがみついた。テレールが体の位置を決めようとすると、レーシーは自ら傘の張った亀頭を自分の股間へと導き、両手と両脚で彼に下からしがみつく様な姿勢を取る。テレールが彼女を焦らすかのように体の動きを止めると、白い両脚の踵が彼の黒い尻を何度も叩いた。ちょうど馬のわき腹を騎手が蹴る仕草に似ていた。レーシーは黒い種馬が走ってくれる事を催促していたのだ。

 「ああ・・・いい・・・おお、神様、アオオオオウウウゥゥゥ!」
巨大で傘の張った亀頭が彼女の胎内へ飲み込まれる。レーシーの両手は筋肉質の黒い肩を掴み、彼女の両脚は黒い尻を抱え込んでいた。少しでも深く黒い種馬に打ち込んでもらう為の姿勢だ。
「オウウウウゥゥゥゥ・・・アアオウウウゥ・・・気持ちイイィィィィ!」
太い黒んぼコックが深く埋め込まれるたびに、彼女は喜びの叫びを挙げた。

 「オウウゥゥ、お願い・・・いて・・・オウウゥ、突いてェェェ・・・硬い・・・硬いぃぃぃ・・・オオウウウゥ・・・いい・・・もっと突いてェェェ!」
レーシーは人生の至福を味わっていた。巨大な黒んぼコックは彼女が夢見ていた喜びとは比べ物にならない真の幸福を与えてくれたのだ。やがて愛液で動きが滑らかになったコックは、なおもスピードを上げ、削岩機のようにピストン運動を始めた。
「オウウウゥゥ、いい・・・あいいいいぃぃぃ・・・イク・・・イッちゃううううぅぅぅぅぅ・・・オウウウゥゥ、テレール・・・貴方の子供を頂戴・・・真っ黒い黒んぼの子供を頂戴!」

 「おおっ、畜生・・・オオウウウゥ、こりゃあ、きつい・・・ああ最高だ・・・おお・・・イキそうだ・・・アアオウウウウゥ、イエェェァァ!」
テレールは大きな呻きを挙げると両手でレーシーの白い尻を鷲掴みにし、爆発寸前のコックを彼女の子宮の中まで打ち込んだ。
「イクぞ・・・オウウウウゥゥゥゥ・・・ううっ、オオオウウウウウゥゥゥ!」
彼がそう言った瞬間、灼熱の黒んぼスペルマが痙攣するブロンド女の胎内へとぶちまけられた。

 その頃デイブと「レーシー」は巷で評判の高級レストランで食事中であった。ステイシーはその最高の味と、妻との和解のためにこんな高級レストランを選んだデイブの決断を、素直に賞賛したい気持ちだった。それと同時に、こんな良い「金持ち」を見つけた双子の姉を妬んでもいた。食事だけでなくレストラン内の調度や従業員のサービスも驚きの連続だった。テレールと食事したレストランとは比べ物にならない高級レストランだ。テレールの命令で彼女はレーシーと同じ香水を使用している。テレールを魅了させた高級な香水であった。

 あのハネムーンから帰って来てから、ステイシーはテレールの命令で何度かレーシーに変装した事がある。ステイシーがテレールと同じくゲームを楽しんでいた事は確かだ。しかし彼女は深く思い知らされる事になった。テレールは洗練された上品な姉に夢中になっているのだ。

 結果として、あのコスプレセックスゲームは彼の愛の程度をしる機会になったのだ。脅迫ビデオは自分の復讐のために撮影してくれたのだと信じていた。しかしテレールが犯罪に手を染めたのは、レーシーをレイプしてハネムーンの間中思うがままにできるなら、刑務所に入っても構わないと考えたからであった。彼にとってはレーシーをレイプする事だけが大事であったのだ。彼女はテレールが自分のような売女より、レーシーのような優しく純真な女性を好んでいた事に気付くこともなかった。

 ステイシーはレーシーに扮してデイブ・リッチモンドを欺く事を、これ以上なく楽しんでいた。ハネムーンの間中、彼を辱めては馬鹿げた行為をやらせた。そして彼を挫折させ、去勢されたような弱虫にさせる事に成功した。

 本物のレーシーは日が昇るまで夫婦の寝室で黒んぼコックを突きたてられる。それがテレールの計画だ。一方のステイシーはデイブを説得して安いモーテルで一夜を過ごす事になっていた。デイブには外で気分を変えたほうが興奮するでしょうと持ちかけるつもりだった。彼は今だかつて自分達の高級マンションでは「成功」した事がないのだから。

 ステイシーは姉のハンサムな旦那を苛める事を純粋に楽しんでいたが、だからといって要らぬ苦労をするつもりは無かった。彼女はデイブに、今日のディナーはハネムーンでのディナーと同じぐらい楽しかったわ、と言った。ハネムーンの時には、ステイシーは彼を引き連れてあちこちで食べ歩いていたのだ。それはデイブにとっては妻の機嫌を取る為の作戦だった。ステイシーにとってもそれは悪くはなかった。

 一週間後、テレールは自分の撮ったビデオを見返しながら、その質の高さと鮮明な映像にあらためて満足していた。三脚の上で固定されたビデオカメラでどのように旨く撮影するか、彼は何度も三脚の高さや位置を試行錯誤していた。特にこだわったのはファックしている後ろ姿が映っているシーンで、ビデオのピントや部屋の照明が合っているかどうかを念入りに調べていた。

 その過程で、彼はビデオに関するあらゆる知識を身につけていた。テレールは「タレント」として出演するだけでなく、製作者としてビデオを撮影したいと思い始めていた。彼はポルノ男優として結構な金を貰っていた。いつも見事な材木(仲間達の隠語で「コック」のことだ)を見せつけていた。もちろんファックは楽しいがそれ以上のこともしたい、それが彼の気持ちだった。

 今テレールは自作ポルノ映画の新作を製作しようとしていた、新たな一歩を踏み出そうとしていたのだ。彼は多くのポルノビデオと自分の作品を見比べて、ファック以外のシーンにおいては馬鹿なポルノ女優の演技より、自分の作品の女優の方が上回っているという事を確信していた。金で身体を売ったポルノ女優が、純真さや初心を装った演技をする様は嘘臭いだけである。その演技が出来るポルノ女優が一人だけ存在した。しかも彼が金を出して雇う必要などない女優だった。美しさと純真さを兼ね備えたミセス、レーシー・リッチモンドだ。

 彼は決して無理な方法を取ったりはしない主義だし、今のステイシーが彼に不満を持っているのも知っていた。彼はステイシーが双子の姉を憎悪している事を利用し、その復讐を手伝うという嘘で彼女を丸め込んだ。だから彼は今回も強引な手は使わなかった。ステイシーと例のビデオを見ているときに、まるでその場の思い付きであるかのように、何気なく呟いただけだった。
「畜生、このビデオ、部屋の明るさとカメラの位置がいまいちだな!俺の最初のポルノ作品だってのに!今なら資金の心配もしなくていいんだがなぁ。お前の姉貴とヒギンズのジジイのファックをビデオに撮っておきゃ良かったよ。あれならお前ら姉妹の故郷で馬鹿売れだぜ!」

 テレールの目論見通り、彼の馬鹿な恋人はこう返事をした。
「テレール、それなら私に良い考えがあるわ!あなたのポルノ映画監督としてのデビューを助けてあげる!あのヒギンズのジジイにさ、レーシーともう一度やらせてやるって言えばいいのよ、あいつが断ると思う?あなたはそれを撮影すりゃいいのよ!あの良い子ちゃんなら素晴らしい演技を見せてくれると思うわ!まずファックの前の会話の場面を撮影して、それからポルノの核心・校長との汚らしいセックスシーンを撮影するの!あなたが育てたポルノ女優で大儲けよ!」

 ステイシーは興奮したように一息で喋り捲った。テレールはさり気なく聞いていたが、彼女が続けて述べた発案には彼も思わずうなった。
「私が高校生時代につきあっていた男の一人が高校から1マイルの所にポルノショップを経営してるの!レーシーとヒギンズ校長がファックしてるポルノビデオを彼の店で売らせてやるって言ったら言葉を失うと思うわ!もちろんあなたの監督作品でね・・・あの気取ったレーシーがジジイ豚の腹の下で泣き叫ぶビデオ、最高のポルノになるわ!」

 ステイシーからの電話を受けたヒギンズ老人は、喜びで踊りださんばかりだった。かつてのチアガールであり、学園祭のミスコン女王であったレーシーとポルノ映画に出演させてくれると言うのだ。彼はかつてセクハラというスキャンダルで校長の地位を失うという屈辱を受けたが、この申し出は嘲笑った生徒達を見返すチャンスでもあった。奴らの憧れであったミスコンクイーンとファックできる程の男だと思い知らせてやるのだ。レーシー・ハミルトンの銀幕デビューという場面で。

 ヒギンズの校長としての名声は例のセクハラ騒動で地に落ちていたから、ポルノに出演する事にはなんの躊躇も無かった。その上彼はガス料金を支払うために200ドルの現金が至急必要であった。あの美しいブロンド女を押し倒してファックする光景を多くの人間が鑑賞するだろう。
「彼女のポルノデビュー作のお相手に選ばれたからには、気合を入れてかからなきゃいかんな!」
彼はそう思った。

 ステイシーは受話器を置くと、右手の親指を上げてテレールにサインを送った。そして笑いながら彼に報告する。
「あの野郎、姉さんをもう一度抱かせてやるって言ったら飛びついてきたわ!台本は私に考えさせてよ。高校の近くのポルノショップなら馬鹿売れするだろうから、純真なレーシーちゃんと校長のヒギンズはポルノ俳優として一躍地元の有名人ね!」

 ステイシーはハンドバックから鍵を取り出すと、それをテレールの目の前にかざした。
「これはレーシーのマンションのキー。彼女に返してあげる前にスペアキーを作ってきて!役に立ちそうなものを手に入れてくるわ!」
彼女は自分の卒業アルバムを引っ張り出すと、目次でレーシーが写っているページを探した。

 チアガールのユニフォームは簡単に手に入るが、それ以上の小道具が必要だった。ステイシーがアルバムのページをめくっていると、表彰台の頂点で微笑んでいるレーシーの写真を見つけた。頭にはティアラをつけ、「学園祭ミスコン優勝」と書かれたリボンのたすきをかけている。ステイシーは前のページをめくって目的の写真を見つけた。写真の中央には2年生の頃のレーシーが写っている。ピンクのガウンを羽織り、頭上には「ダンスパーティー・ミスコンテストの女王」のティアラが輝いていた。

 ついに撮影の日がやってきた。テレールはこの日のためにスタジオをレンタルしていた。ヒギンズはといえば、わざわざ愛するレーシーとの共演のために校長時代のシャツとスーツを持ち込んでいた。彼はレーシーとの演技を想像して、早くも股間を昂ぶらせていた。「レーシー」はオレンジと白のチアガールのユニフォームを身につけ、ソックスとテニスシューズまで完璧に揃えていた。高校時代とまったく変わらない格好だ。

 彼女が老人にしなだれかかり情熱的なキスを捧げる。ヒギンズはあのリゾート地でのびくびく萎縮していたレーシーの変貌振りに驚いていた。あの時は始めてだったせいだろうか、それとも校長という地位を意識していたのか。彼女は彼の耳を軽く噛み、片手で彼の股間を掴んで囁く。
「興奮してきたわ!台本では私は机の上に押し倒された後、脚でこするの!私の両脚をあなたのスペルマで汚して。出来るでしょう、おじいさん?」

 「レーシー」はその場に座り込むと自らの視線を、元ぽん引きの黒んぼ映画監督に向け、その美しい肢体を老人にすり寄せる。彼らはそのまま台本を確認した。ヒギンズは台本を読みながら顔から笑みがこぼれた。彼はかつての自分自身を演じれば良いのだ。彼の役は高校を解雇される前の自分自身、高校の好色な校長の役であった。「レーシー」は机の上で犯されるシーンを指差しながら、もう一方の手で彼のコックを握り締めた。

 台本を一通り確認して、ヒギンズ老人はさほど難しい演技を必要としない事に安堵した。彼は校長に昇進するまでは高校の演劇部の顧問を務めていた事もあったのだ。もちろんポルノ映画は、最初から最後まで連続している普通の演劇とは違う。普通の会話は省略されているから、重要シーンの前では一休みする事もできる。

 スタジオはステイシーの記憶にのっとって、映画の最初のシーンを撮影する校長室がほぼ完全に再現されている。問題児だったステイシーはたびたび校長室に呼び出しをくらっていたのだ。机の上には書類と電話、そして「校長・ヒギンズ」の名札が置かれ、背後の本棚なども完全に再現された。

 最初のシーンはヒギンズ校長が机で書類を読んでいるシーンから開始された。ドアがノックされる。
「入りなさい」
彼が大声で返事をする。カメラはドアから入ってくるチアガールにズームアップされた。
「入るんだ、ハミルトン君!座りなさい!」
ヒギンズ校長は厳かな声で支持すると、机の前の椅子を指差す。

 「レーシー」はおずおずと椅子に腰を下ろす。良くない用事である事は彼女の様子から見て取れた。
「なぜ君を呼んだか分かってるね、ハミルトン!」
校長の厳かな声が響く。「レーシー」は鼻をすすり上げ、彼女の目から流れる涙はあごへと伝っていた。
「お願い・・・お願いです、ヒギンズ校長・・・わたし・・・私、なんと言ったらいいか!・・・忙しくて・・・練習と宿題と・・・つい出来心で!」
彼女は泣きべそをかいていた。

 「それでカンニングというわけか、ハミルトン君!知っているだろうが選択の余地は無い!君はチアガールを首になることになるね!」
校長はそう言いながら立ち上がると、泣きじゃくる「レーシー」の脇に寄る。台本の通りの動きであった。
「お願い・・・お願いです、ヒギンズ校長。何でもやりますから、それだけは!」

 ヒギンズは台本通りに立ち上がると、すすり泣く彼女の肩を抱いて慰める様子を見せた。ユニフォームの上からそっと背中を触り、彼女のブロンドの髪に顔を近づける。高校生の甘い香りを吸い込むと、彼のコックは早くも下着の中でいきり立っていた。
「わかった、わかったよ、レーシー!心配するな!数学の先生には私から良く言っておくから!」
彼はそう言いながら、彼女の背中に回した手を下へと進ませ、形の良い尻に這わせた。

 「ほ・・・、本当ですか!」
「レーシー」はうわずった声を挙げながら驚きの表情で校長を見上げる。
「有難うございます・・・本当に有難うございます。ヒギンズ校長!」
彼女は感極まった声で叫ぶと、校長の首を抱いてその頬に感謝のキスをした。2分後、「レーシー」は校長のディープキスから逃れようと、両手で彼の胸板を押しのけようとしていた。やがてヒギンズは彼女の唇を解放すると興奮したようにいった。
「素敵だったよ、テストの件は任せておきなさい、レーシー!」

 「レーシー」は自分の体が宙に浮いている事に気付いた。校長は彼女の尻を両手で持ち上げ、抱き合ったまま彼女を机の上へと座らせた。彼女はそのまま机の上に押し倒される。校長は彼女の両脚を丹念に撫で回していた。レーシーの恐怖に震えた声が響く。
「ヒギンズ校長・・・お願い・・・お願いです・・・何をするんですか!」
「レーシー」が必死にあがらう場面で、映像はブラックアウトした。

 ステイシーはヒギンズが演技を終えた後、ふらふらになりながら椅子に座り込んだのを見て、思わず笑みを漏らした。彼女は机の上から起き上がると彼の両膝に跨ってディープキスを浴びせた。彼女の下が彼の口内を探っていく。
「最高の演技だったわ、ヒギンズさん!もう机の上で待っているなんてできないわ!今すぐ貴方のおっきなコックを私に頂戴!オオオウウウゥ、私に突き刺して・・・もっと深く・・・私を串刺しにして!」
彼女は呻いた。

 次のシーンでは、「レーシー」は1インチの高さのハイヒールを履き、高校生に相応しい上品な洋服を着ていた。ヒギンズ校長は前のシーンとは違うシャツとスーツを着て、同じように校長室の椅子に座っている。前のシーンとは打って変わって笑顔の「レーシー」を部屋に迎え入れるヒギンズ校長。彼はそっと後ろ手でドアをロックした。

 「ヒギンズ校長、校長先生が学園祭のミスコンの投票集計係になったんですね!私が優勝しそうでしょう?」
そう言いながら机に近づくと、彼女はスカートを捲り上げてブルーのパンティーをずり下ろした。それを足から抜くと机の上に登り、上着のボタンを外す。ハイヒールのまま机の上に立ち、「レーシー」はプッシーをさすりながら尻をくねらせ、校長に尋ねる。
「この投票箱、もう投票は締め切りかしら?」

 ヒギンズ校長は舌なめずりしながら、この撮影を楽しんでいた。彼のコックは先ほどから立ちっぱなしであった。不幸にも、このシーンは彼のコックを刺激させるだけのシーンであった。次のシーンでは、「レーシー」はドレスに着替え、ティアラと「学園祭ミスコン優勝」の肩帯を身につけて表れた。彼女はそのまま校長の膝の上に跨った。両腕を彼の首に回してディープキスをする。そしてカメラに向かって大声で喋った。
「私のお尻の下で何か当たってるわ?ちょっと見ていいかしら?」
彼女はからかうように彼の膝から降りる。「レーシー」が校長の前に跪き、ズボンのジッパーを開ける場面で、映像はブラックアウトした。

 前置きの会話シーンの撮影は、これが最後だ。2人は衣装を変え、レーシーがロッカーを開けようとしている所に校長が通りかかるというシチュエーションで撮影を開始する。
「やあ、レーシー!今夜は頑張ってね・・・君がダンスパーティーのミスコンで優勝できるよう祈っているよ!」
彼は少し間を置いて、笑いながら続ける。
「私はダンスパーティーが行われるホテルに部屋を取ったんだ!そこでミスコンの投票を数えようと思う。一緒に投票用紙を数えるのを手伝ってくれないかい?」

 「けど・・・、けどパーティーは彼氏に送り迎えしてもらうつもりなんです。」
「レーシー」はどもりながら返事をした。
「で、でも彼とはダンスパーティーで会えるし、帰りくらいは会わなくてもいいですよね」
彼女は台本通りの台詞を言う。そして、校長がホテルの一室にいる場面が写された。ノックの音と共に、ダンスのためのピンクのガウンとハイヒールで飾った「レーシー」が部屋に入ってくる。彼女は室内のベッドの脇へ行くと、ガウンの後ろのホックを外し始めた。

 こうして会話のシーンの撮影は全て終了し、カメラの電源が切られた。ステイシーはヒギンズの首に抱きつくと熱いキスをプレゼントした。テレールは彼女から散々文句を言われていた。ヒギンズの鼻息と呻き声は、まさに老いた豚のようだというのだ。ステイシーがそれを我慢したのは、レーシーもそれを嫌悪している事を知っていたからだ。彼女は彼の耳をチロチロと舐めて囁いた。
「私、獣のような激しいファックが大好きなの・・・私を抱くときは息を荒げて乱暴にファックして!」

 この、本番の前の準備とも言える撮影は、早朝のスタジオ行われた。そしてちょうどその頃、デイブは愛する妻に、彼が「男」である事を証明しようと決意していた。美しい妻は彼と共にベッドに横たわっている。彼は自分のペニスが勃起しているのを確認し、その顔に笑いを浮かべた。右手に握った自分の一物は、今回の成功を確信させるほど硬くなっていた。

 昨夜、レーシーは寝返りを繰り返してほとんど眠れなかった。神経を張り詰め、疲れきっていたのである。彼女の神経過敏は数日前のテレールの電話、可愛らしく、餓鬼っぽい化粧をしろという命令の電話のせいだった。彼女がテレール監督デビュー作品のポルノスターになるというのだ。もちろん彼女は拒絶したが、ウエディングドレスでのレイプビデオとステイシーが扮した贋物ビデオの存在を仄めかしたテレールに対し、逆らう術は無かった。電話を切った後、彼女は身を切り刻まれる思いだった。ポルノを撮影するという罪悪感と、テレールの黒んぼコックの快感への焦燥感にである。

 レーシーが恐怖と不安に震えている中、夫が自分に擦り寄ってくるのを感じた。彼の愛撫は彼女にとっては神経を苛立たせるだけだった。彼女は寝たふりをする事にした。言葉にならない寝言を言いながら、寝返りをうって夫の誘いを拒否した。
「ああ、神様!デイブの誘いを拒否してしまいました!結婚式の日、あの男のレイプは拒否できなかったのに!あの男、妹の愛人とは今でも不倫が続いているのです!今日もあの男と・・・しかもそれを撮影するなんて!」

 デイブの勃起したペニスは、早くも限界に達しようとしていた。今日こそレーシーに、自分が彼女を満足させるだけのスタミナを持つ男だという事を見せ付けたいと思っていた。しかしその未熟でぎこちない動きは、タフな男という彼の理想像とはかけ離れていた。彼はシャツとボクサーパンツを脱ぎ捨てると、乱暴に彼女を引き寄せネグリジェを捲り上げた。

 夫に不倫を隠している罪悪感と午後からのテレールの撮影で頭が一杯だったレーシーは、愛する夫の乱暴な誘いを反射的に跳ね除けてしまった。そして彼の身体を押しのけた後、その場の雰囲気に耐え切れなくなった彼女は、バスルームへと逃げ込むと鍵をかけてしまった。ハネムーン以来の懸案を解決しようとした彼を、ベッドに取り残したまま逃げてしまったのだ。

 デイブはバスルームに逃げ込んだ妻を呆然と見送る事しか出来なかった。彼の脆い自尊心は再び打ち砕かれ、右手の中のペニスは早くも硬さを失っていた。あれ程の硬さを持っていたペニスはすっかりフニャフニャになって、使い物にならなくなっていた。レーシーはやがてベッドに戻ってきたが、自尊心をすっかり失ったデイブはもう性欲を覚醒することはできなくなった。結婚を完成する事も、自分を拒む理由を尋ねる事もできなかった。2人は一言も言葉を交わさなかったが、互いの溝が広がった事は明らかであった。

 レーシーは財布から紙切れを取り出した。テレールから聞いたスタジオの住所を記した紙だ。衣装が用意された更衣室で待っているよう、彼女は命令されていた。それぞれの衣装に番号があり、順番に着なければいけないのだという。テレールがどんな衣装を用意しているのか、彼女にはさっぱり思い浮かばなかった。彼は詳しく教えなかったし、彼女の精神状態では聞きたくも無かったのである。

 レーシーはスタジオを見つけると、胸の動悸を抑えながら入り込んだ。警備員に案内され、更衣室へと案内される。彼の話によると、「監督」は午後一時きっかりに来ると言う。警備員が去った後、彼女は「静粛に!撮影中」の標識がある通路を進んだ。撮影所を覗いて見たかったのだが、撮影所のドアは硬くロックされていた。彼女は来た通路を戻り、彼女の為の衣装が用意されてるはずの更衣室へと向かった。

 更衣室に入ったレーシーはラックにかかっている衣装に目を見張った。それは高校時代に彼女自身が着た事のある洋服ばかりだったのだ。オレンジと白のストライプ模様のチアガールのユニフォームには、彼女の名前がしっかりと刺繍されていた。そしてタグには「#1」と書かれた紙が挟まっている。

 レーシーは学園祭のミスコンで着ていたドレスがハンガーにかかっているのを見つけた。それには肩帯までも揃っている。さらにはダンスコンテストの際のガウンや彼女の普段着さえも揃えられていた。服だけではない、ミスコンで優勝したときのティアラや冠さえもドレッサーの中に仕舞われていた。

 レーシーはチアガールのユニフォームを身につけ、更衣室の鏡の前に立った。もちろんこれを着るのは高校を卒業して以来のことだ。彼女自身も驚いた事に、数年経ってもユニフォームのサイズはぴったりであった。自分がチアガールならテレールはフットボールの選手にでも扮するに違いない。そして黒人プレイヤーがブロンドのチアガールをファックするポルノを撮影するのだろう、と彼女は想像して思わずふきだした。彼女はポルノへの出演が公になるのをあれだけ恐れていたのに、出演自体にはさほど苦悩していない自分に気がついていた。この沢山の衣装はステイシーが彼女ののクローゼットから持ち出したものであることは言うまでも無い。もちろんオレンジのパンティーとソックス、テニスシューズも揃えられていた。

 午後一時ちょうど、レーシーの耳にスタジオのドアが開く音に続いて、更衣室に向かってくる足音が聞こえてきた。彼女の心臓は激しく脈打ち、股間はじんわりと湿り気を帯びていた。彼女は下唇を噛むと、更衣室に入ってきたテレールに微妙な笑いを向けた。テレールの黒い手が彼女の腰に伸び、そのまま覆いかぶさるようにキスをする。彼女は口を開けて彼の舌を迎え入れると、自らの舌を絡ませた。
「上の口と下の口にコックをぶち込まれる準備は出来たかい?」
彼の問いに彼女は黙って頷いた。

 チアガールのユニフォームを着た彼女は、心までも少女に戻ったかのように、テレールに手を引かれてスタジオへと向かった。彼女には台本は与えられていない。出来る限りリアルなファックシーンを撮影したいというのがテレールの望みであったからである。彼女が連れて行かれたスタジオの中は、どこかのオフィスの一室が再現されていた。その時、彼女は思わず息を飲んだ。机の上のネームプレートには「校長・ヒギンズ」の文字があったのである。

 レーシーが困惑の表情でテレールを見上げたとき、スタジオのドアが開いて何者かが入ってきた。その男の顔を見た瞬間、彼女の心臓は止まりそうになった。入ってきた男に彼女はぎこちない笑顔を返した。午後の撮影は彼女が心の中で望んでいたような、黒んぼとの最高のファックではなかったのだ。彼女の撮影の相手は、あの不愉快な前校長だったのだ。彼女はこの太鼓腹の老人を見ているだけで、胸がむかついてくる程だった。

 「私の方は準備万端さ!朝の撮影は最高だったね!これから君と「ポルノの核心」を撮影できるなんて最高だよ!」
校長が彼女に挨拶する。やや躊躇した後、彼女は振り返って肥満老人のキスを頬に受ける。ヒギンズの手が彼女の腰に伸びる。彼女は目をしばたたせて涙を振り払った。邪悪な妹が彼女に扮して「朝の撮影」を行った事は、すでに気付いていた。

 ヒギンズはレーシーの様子が朝の撮影とは様変わりしている事に気付いていたが、単に演技をしているのだと考えていた。彼が簡潔に撮影の続きを再確認した。高校生のチアガールであるレーシーはカンニングをネタに校長に脅迫され、彼に抱かれるという脚本である。テレールが驚いたのは、彼女がその演技に簡単に入り込んだ事だった。

 テレールは呆然としているレーシーの手を握ると机の側まで引っ張っていった。そしてレーシーを机の上に腰掛けさせると、そのままゆっくりと仰向けに寝かせた。
「OK!ヒギンズ、朝の続きだ!」
レーシーの耳には三脚の上のビデオカメラと、テレール自身が手に持っているビデオが稼動し始める音が聞こえた。
「準備はいいかい?・・・アクション!」
テレールが叫ぶ。

 「アクション!」というテレールの声が響くと同時に、レーシーは太腿に異様な感触を感じてすくみ上がった。校長のぶよぶよとした汗で濡れた手だ。その手は太腿の付け根からソックスの先まで、彼女の両脚を執拗に愛撫する。やがて彼の湿っぽい手がユニフォームの下に伸び、彼女の下着を掴む。そしてそれを足からずり下ろした。ヒギンズはテニスシューズに引っかかった下着を引き抜くと、傍らに放り投げた。

 続いて校長の手はレーシーのテニスシューズに伸び、片方ずつ足から引き抜いた。気味の悪い男の手が白のソックスをゆっくりと脱がしていく間、彼女はその感触の気味の悪さに震えていたが、校長が自分の足の裏に顔を押し付けた時には、驚きで息を飲んだ。足の裏に汚い顔で頬擦りされているのだ。やがてヒギンズは彼女の足の裏や踵を舐めたり、足の指をしゃぶったりし始めた。彼女は机の両端を手で掴んで踏ん張ると、くすぐったさを必死に堪えていた。

 ヒギンズは彼女の両脚を掴むと、自分の太鼓腹の下に持っていった。そのまま彼女の両脚で、自らのコックを挟み込む。さすがのレーシーも、この校長が脚フェチであることに気付いていた。彼は彼女の足を散々楽しんだ後でファックしようというのだ。

 歯をくいしばって机にしがみ付くレーシー。このかつての校長がこんな変態である事が信じられなかった。豚のような鼻と口の息は、彼女にリゾートでの屈辱を思い出させた。レーシーは知っていた。この豚が鼻息を荒くするというのは、汚らわしいスペルマを吐き出す用意ができた合図だという事なのだ。やがて校長の熱いスペルマが彼女の両脚を汚し、特に足の裏はスペルマでべっとりとなった。

 屈辱で震えるレーシーの両足が校長の両肩に担ぎ上げられる。彼女は彼がなにをしようとしているのかを即座に理解した。レーシーは机の両端をしっかりと掴むと、油っぽい顔が自分の太腿の間に入り込んでくる恐怖にじっと耐えていた。

「アオウウウゥウウ!アウウゥゥウウ!」
レーシーはブロンドの恥毛を彼にしゃぶられ、おもわず大きな呻き声を挙げる。
「オオオウウウゥゥ・・・アオウウウゥゥゥ!」
熱い舌がプッシーの中に割り込み、彼女をなおも叫ばせる。
「ああ、神様・・・オオウゥ、神様ァァ!」
レーシーは踵を彼の背中に押し付け、自らの身体をえび反りにしてヨガリ声を挙げた。

 「オオウウゥ・・・アアオウゥ、ヒギンズ・・・オウウウゥゥ!ああ、神様・・・アアアオウウゥ・・・アアアアアアオオォォ!神様・・・神様ァァ・・・オオウウウウゥゥ!」
レーシーは呻き声を挙げながら、机にしがみついていた手を離していた。その手は校長の後頭部を掴み、それを自分の股間へと押し付けていたのだ。
「ああ、神様・・・アオォ、神様・・・イイ・・・イイ・・・イクウウウウゥゥゥゥ!」
それは彼女の体の底から吐き出された歓喜の叫びだった。

 ヒギンズの顔の両脇で痙攣していた両脚がやがて大人しくなる。彼は顔を上げると自分の唇を舐めて、レーシーのプッシーの味を再確認した。そして彼女の両脚を肩から下ろすと、チアガールのユニフォームを捲り上げ、そのままピンク色の乳首にむしゃぶりついた。そのまま唇の裏側を使って、形の良い乳房を濡らしてゆく。午前中と同じように。彼にとってレーシーは崇拝の対象ですらあった。

 テレールは机の上で繰り広げられる最高の演技にこれ以上ないほど満足していた。美しくセクシーなブロンド女は、このいやらしい男への嫌悪を隠そうともしなかった。しかしヒギンズ老人にとっては、自分に向けられた嫌悪の眼差しさえも楽しんでいたのだ。レーシーは校長の脂肪の圧迫から逃れようと机の端を掴んで身体を伸ばした。

 彼の「ポルノスター」は演技などではなく、本当の感情を露にしていた。テレールが望んだ最高のポルノには欠かせないものだ。ポルノの視聴者は「真実の演技」こそを選ぶからだ。レーシーがヒギンズ老人の腹に押しつぶされながらのファックを嫌悪している事は明らかだった。やがてヒギンズは本物の豚のような鼻息と呻き声を挙げ、彼女の胎内へと欲望を吐き出した。テレールはその「野性的な」呻き声に思わず苦笑した。

 その頃、スタジオの別室にはステイシーがいた。目の前のモニターはテレールが撮影するカメラと繋がっている。彼女は双子の姉が出演するポルノに熱心に見入っていた。姉のレーシーがどれだけ醜い校長を嫌悪していたかを知っている。姉はその校長にイカされたのだ。ヒギンズの汚らわしい欲望が放たれた時、姉は堪え切れないかのように鳴き声を挙げていた。

 レーシーが床に落ちていたオレンジのパンティーを拾ってすすり泣いているのがモニターに映った時には、ステイシーははじけるように笑い転げた。レーシーはそれを急いで履くと、両脚の付け根から白濁液を垂らしながら更衣室へと駆け込んでいった。ヒギンズの方は、「レーシー」が午前中とは別人であるなどという事は、まったく気付いてはいなかった。チアリーダーは台本通りが脅迫され、レイプされた後の演技を続けているのだとしか考えていなかったのだ。

 レーシーは更衣室でチアリーダーのユニフォームを脱いでいた。彼女の学生時代の最も大切な思い出が詰まったユニフォームだ。しかし思いでのユニフォームは引き裂かれ、スペルマで汚されてしまった。彼女はシャワー室に入ると、熱いシャワーを浴びながら、体から自分を犯した豚の臭いを清めようとしていた。

 レーシーはシャワーの下で、自分が犯され、穢された事をあらためて感じていた。しかし彼女は次のおぞましい撮影のために着替えなくてはいけないのだ。早くこの恐怖の日が終わってくれる事を祈りながら、彼女は更衣室のラックへと向かった。そこには「#2」と書いた紙がついたピンクのガウンがかかっている。レーシーがダンスパーティーで着ていたものだ。盗まれたと思っていたガウンを見つめながら、彼女は息を飲んだ。

 スタジオに戻ったレーシーは、次は何をされるのかを想像していた。しかし45分経っても何も始まらないのを見て、彼女は少し安堵の表情を浮かべた。きっとヒギンズ老人は一回で「果てて」しまったに違いないと思ったのだ。しかしセットの脇にいた彼の姿を見つけて、レーシーは嫌悪に震えた。彼も彼女と同じように着替えていたのだ。パンツを下ろしてコックを握り締め、彼女に向かって笑いかけていた。

 レーシーは午前のステイシーの演技の事など何も知らなかったが、先ほどのシーンでは最高の演技をしていた。ヒギンズは興奮しきった声でレーシーに呼びかけた。
「最高の演技だったよ、レーシー!最高のファックだった!テレールには感謝しなきゃな。次のシーンもよろしく頼むよ!」
レーシーの手がゆっくりとヒギンズのいきり立ったコックを握った。

 レーシーは指から伝わってくるおぞましい感覚に吐き気を催しそうであった。
「ああ、神様・・・この穢らわしい獣!この豚のコックを手で慰めなきゃならないなんて!」
ヒギンズは彼女の手に自分の手を重ねると、彼女の手を動かして自分のコックをこすらせる。
「さあ、次のシーンだよレーシー。こいつをもう一度君の中に打ち込んであげるよ!」

 シーンはレーシーがホテルの一室をノックし、ヒギンズが彼女を招きいれた所から始まる。レーシーはゆっくりとピンクのガウンを脱ぐと、揃いのハイヒールを脱ぎ捨て、下着をゆっくりと外していく。彼女がベッドの上に横たわると、ヒギンズ老人はシャツを乱暴に脱ぎ捨て、彼女の上に覆いかぶさった。ヒギンズの演技は完璧だった。小柄なレーシーを腹の脂肪で押しつぶすようにしながら、大きな呻き声を部屋中に響かせる。
「オオオォ、レーシー・・・ああ畜生!セクシーだよ・・・美しい・・・それに、きつい!オオウウウゥ・・・、あと一時間後には、栄光が君の頭上に輝くんだ!みんなに告知するよ・・・レーシー・ハミルトン、君がダンスパーティーのミスコン優勝者だ!」

 ヒギンズは豚のように呻き、醜い声を挙げながらブロンド女に種付けをしている。最高のポルノ作品になる事は確実だった。そしてビデオは美しいポルノ女優が脂肪につぶされ、嫌悪と軽蔑の表情を見せるシーンもはっきりと映し出していた。

 一時間後、レーシーは再びシャワーを浴びた後、次のシーンの着替えのために更衣室へと向かった。もう一度あの豚と寝る事など考えるのもいやだった。彼女はただ撮影が早く終わってくれる事だけを祈っていた。次の衣装は彼女が高校時代に着ていた地味な白のブラウスとブルーのスカートだった。そこにあったノートには、こう書いてあった。
「白のブラジャーと1インチのハイヒール。下は履いてこないこと!」

 セットの方は、高校にある校長のオフィスに様変わりしていた。レーシーは妹の存在を思い出していた。妹が自分を装って、午前中に下品なシーンを撮影していたのだ。オフィスの床にはブルーのパンティーが落ちている。午前中のシーンの続きである事は、レーシーにもすぐ理解できた。
「午前中にどこで終わったか覚えているかい?机の上で仰向けになるんだ!もう一度、君をファックしてあげるよ!」

 レーシーは机の上で仰向けになると、ヒギンズに向かって両脚を大きく広げる。スカートは腰までめくれ上がっている。彼女が指で自分を慰め始めると、テレールのビデオがその動きを追う。ヒギンズ老人はベルトを外してパンツを下ろすと、それを床に投げ捨てる。レーシーが机の端へと尻を動かすと、ヒギンズは股間のコックをゆっくりとそこに突きたてていった。

 一時間後、全てのシーンが終了した。レーシーは憔悴した自分の表情を鏡で見つめていた。ポルノ映画の「共演者」、彼女のかつての校長は、もう着替えを済ませてスタジオを後にしていた。鏡に写る彼女の姿は、ミスコンのティアラとガウンを身につけている。彼女はこの姿のまま跪き、彼のズボンのジッパーを下ろして、あの豚のコックをおしゃぶりしたのだ。それだけではない、彼女は吐き出されたスペルマを一滴残らず飲み干さなければならなかったのだ。

 レーシーがシャワーを浴びていると、テレールが更衣室に入って来て、室内のソファに腰を下ろした。彼は全裸の彼女の腕を掴むと、再びスタジオに連れて行った。そこにはあの時のホテルの部屋が再現されていた。
「テレール・・・夫が・・・もう帰らなきゃ夫が怪しむわ!」
彼女はどもりながらあがらったが、本心では黒んぼのコックが欲しくて堪らなかったのだ。彼女は一度だけヒギンズに口でイカされた以外には、今日の老人とのファックに何の喜びも見出せなかったからだ。

しかしテレールの返事はレーシーを驚かせた。
「心配ないさ、ハニー!ステイシーの奴が君の車で旦那の会社に向かってるからな!」
それを聞いたレーシーは唇を舐めると、ベッドに仰向けになって両脚を広げた。そして黒んぼの巨大なコックを両手で掴むと、それを自分の両脚の間へと導いていった。

End of Story.